電子書籍の整理では、巻のつながりと置く場所、今読むかどうかを別々に考えます。買ったストアの本棚と、自分で保存したファイルの本棚も同じものではありません。最初から全冊を移すより、探せない理由を一つずつなくしましょう。
電子書籍の本棚の整理が難しくなる理由
所有、保存先、読む予定が混ざる
電子の本棚では背表紙を一度に見渡せず、アプリや端末の切り替えで本の存在を忘れがちです。ダウンロード済み、購入済み、読みかけはそれぞれ違う状態なのに、一つの一覧へ混ぜると「どこから開くか」が分かりにくくなります。まず本を開く入口を把握してください。
一覧を作るなら、題名、著者、巻、購入したストアまたは元ファイルの場所を残します。未購入の候補を購入済みと分け、試し読みや借りた本も自分の所有に混ぜません。整理のためにコピーを増やす前に、同じ本が重複して見える理由を確かめると不要な作業を減らせます。
名前だけでは同じ本か判断できない
表紙、版、巻番号、ファイル名が違うと、同じ内容でも別の本に見えます。反対に似た題名でも版が異なり、内容やページが違う場合があります。表記を揃える際は、版や巻の情報まで消さず、読むために必要な違いを残すことを優先しましょう。
漫画の整理ならシリーズ名と巻、参考書なら版と利用する時期など、探すときの基準が変わります。すべての本に同じ細かい分類を課す必要はありません。分類を増やしすぎて登録が止まるなら、最初は題名と入口だけで始め、必要になった項目を後から追加します。
分ける情報を一度決める
| 情報 | 答える問い | 例 |
|---|---|---|
| シリーズ | どの巻の続きか | 作品Aの第1巻、第2巻 |
| 保存先・フォルダ | どこから開くか | 自分のPDF、購入ストア |
| 読む状態 | 次に何を読むか | 今読む、あとで読む |
| タグ | どんな手がかりで探すか | 語学、図版、仕事の資料 |
この区分は蔵書を考えるための例で、すべてのアプリに四つの機能があるという意味ではありません。使っている本棚の機能を確認し、不足する項目は手元の一覧で補います。購入ストアと自分のファイルを読むアプリの違いは、次の記事で整理しています。
シリーズでまとめる
巻順と置き場所を分離する
シリーズは続きものとしての関係です。同じ作品の巻を仕事用と保管用のフォルダへ分けても、読む順まで変える必要はありません。ファイルを集めることと巻をまとめることを別々に決めると、置き場所を変えた後も次の巻を見つけやすくなります。
まきもの(Makimono)ではシリーズとフォルダを分けて扱い、ブックをフォルダへ移してもシリーズの関係を維持します。対象は自分が読む権利を持つ対応ファイルです。ストアの保護付き書籍を取り出したり、各ストアの本棚をそのまま統合したりする機能ではありません。
自動の候補をそのまま確定させない
ファイル名が似ている本をまとめる場合も、別の作品や版が混ざっていないか確認します。巻番号のない付録や同じ著者の別作品を、続きものと決めつけないようにしてください。シリーズの名前を揃える作業では、正しい巻順と、混ぜたくない本の確認を一緒に行います。
まきものにはシリーズ化の対象から外す設定もあります。単独で扱いたいブックはこの設定を使い、まとめたくないものが一覧に混ざらないようにします。ただし、分類から外すことと閲覧を保護することは別です。見せたくないファイルには、次のフォルダ保護の範囲も確認してください。
欠けた巻と未購入を区別する
一覧で巻が飛んでいるときは、未購入、別ストアで購入、別の保存先、読み終えて端末から外した、などの理由を調べます。見つからないだけで再購入しないよう、購入履歴や元の保存先を確認します。シリーズの総巻数は変わる場合があるので、調べた日を添えると更新できます。
まきものの無料枠は1シリーズなら巻数を問わず、単独のブックは10冊までです。無料のまま超過する追加はできません。Proから無料へ戻って枠を超えている場合は、データを削除せず全ブックの閲覧にProを求め、枠内へ減らすと再び開ける扱いです。分類だけで利用条件を判断しないでください。
フォルダで置き場所を分ける
アプリのフォルダと元ファイルの場所を分ける
アプリの本棚でフォルダへ入れる操作が、元のファイルをiCloud Drive上の同じ名前の場所へ移すとは限りません。読み込み後の整理と、Filesなどで管理する元データの整理は、それぞれの画面で確認します。どちらを変えたか分かるようにすると、後から元のデータを探せます。
まきもののフォルダはライブラリ内でブックの置き場所を分けるために使います。複数選択でまとめて入れる場合も、シリーズの所属は維持されます。端末のファイルシステムをすべて同時に並べ替える操作と考えず、元データの保存先とライブラリでの位置を分けて管理してください。
用途で分け、細かくしすぎない
「学習」「趣味」「資料」など、普段選ぶ目的に近い区分から始めます。冊数の少ないフォルダを多数作ると、移動先を選ぶ作業が増えます。一つの本をどこへ置くか迷うなら、フォルダの用途が重なっていないか見直し、主な使い道で置く場所を一つに決めましょう。
自分のファイルの蔵書管理では、タイトル、巻、元データの場所も残します。本棚の見た目を整えるだけでは、別端末や別アプリへ移る際の入口が分かりません。保存用の一覧と読書用の本棚を分ける考え方は、紙の本にも共通します。
蔵書管理の始め方|紙と電子の本をまとめて把握する蔵書管理は、持っている本の名前と場所を記録するだけで始められます。二重買いを避ける最低限の項目、バーコード登録、表計算やデータベースの使い分け、紙と電子の所在のまとめ方を解説。借りた本と所有する本、読みたい本と未読本を分け、購入や移動のタイミングで更新する方法を紹介します。makimono.xyz ↗
見せたくない本は保護の範囲を確認する
まきもののProではフォルダにFace IDなどによるロックを設定できます。保護したフォルダの対象ブックは、検索やシリーズの入口でも保護を維持します。シリーズ全体を自動でロックする意味ではないため、同じシリーズでも保護フォルダの外に置いた巻は別に確認してください。
共有する端末では、元ファイル、写真、別アプリのコピーも見える可能性があります。一つの本棚をロックしただけで、端末上のすべてのコピーを隠せたとは考えません。保護したいデータの保存先まで確認し、アプリの操作と端末のアクセス管理を組み合わせます。
詳しい操作と利用条件はまきものの使い方を参照してください。
「今読んでいる」「あとで読む」をつくる
今読む一覧を小さく保つ
買った本をすべて今読む候補にすると、開くたびに選び直すことになります。今週読む一冊、学習中の一冊など、実際に着手できる量に絞ります。途中で別の本へ移っても失敗とせず、続きの位置と再開する理由を残してから一覧を入れ替えましょう。
読む状態をフォルダ名で表す場合は、移動のタイミングを決めます。タグや状態の設定がある別のアプリなら、置き場所を変えず補助情報を付ける方法もあります。まきものにタグ管理があるという紹介ではありません。利用中の機能に合わせ、手作業の一覧でも同じ考え方を使えます。
あとで読む理由を一行添える
「いつか読む」だけでは候補が増え続けます。次の試験で使う、仕事の相談前に読む、次巻の前に復習するなど、読む場面を短く添えます。理由がなくなった本は候補から外しても、所有まで取り消す必要はありません。持っていることと今の優先順位を分けてください。
無料配布、試し読み、借りられる本の候補は、購入済みとは別に記録します。配布や貸出の条件が変わることもあるため、候補へ入れた時点でずっと利用できるとは考えません。読む前に現在の案内を確認し、開ける入口を一覧で確かめます。
ストアごとに分かれた本を把握する
入口を一覧に残して検索する
複数ストアで本を買っている場合は、題名と購入先を一覧で管理します。読みかけの箇所やお気に入りは各サービスで持つことがあるため、一覧を作っただけで進捗が相互に同期するとは限りません。ストアのデータを書き換えるより、入口を失わないことを目標にしてください。
Apple Booksの公式案内では、同じApple Accountで使う対応端末間の読書位置の同期や、事前にダウンロードした本をオフラインで読む使い方を説明しています。他ストアをまとめる案内ではありません。サービスごとの同期条件と端末への保存を分けて確認しましょう。
Apple公式:Apple Booksオーディオブックを聴く。電子書籍を読む。次に好きになる作品を見つける。Apple Booksなら、あらゆるデバイスでシームレスに楽しめます。www.apple.com ↗移せるファイルかを確かめる
購入先の保護付き書籍は、対応するストアアプリで読むのが基本です。拡張子を変えたり、保護を外したりして整理する方法は扱いません。自分で作ったPDFや、権利者が条件を明示して配布するファイルは、利用条件と対応形式を確認してから別の本棚へ追加します。
データを一か所へ集めなくても、入口の一覧があれば見つけられます。ストア名、アカウントを区別するための自分用のラベル、購入日を残し、パスワードそのものは一覧へ書かないでください。基礎から確かめたい場合は電子書籍の仕組みも参照できます。
整理を続けるための小さなルール
追加する時点で名前と入口を決める
新しい本を入れた日に、題名、巻、置き場所を確認します。後で全冊を整理する予定にすると、似たファイル名の判別からやり直すことになります。元の名前に必要な版情報がある場合は保持し、読みやすく整えるときも何を変えたか分かるようにしましょう。
すべての本の感想や分類を完成させる必要はありません。今日追加した本を迷わず開けるだけでも、次の読書の準備になります。登録に時間がかかりすぎるなら、分類を減らして必須項目を絞り、必要な情報が後から探せる形にしてください。
少量ずつ見直す
月に一度など、負担の小さいタイミングで、今読む本と入口が不明な本だけを見直します。冊数を減らすことを必須にせず、重複や保管場所の誤記を直します。読書に使う時間を分類で使い切らないよう、作業範囲を決めて終えるのが続けるためのルールです。
紙と電子の両方を持つ場合は、同じ本の入口を一つの一覧で記録できます。紙の置き場所を変えた日や、電子の保存先を移した日も残すと、探す手間を減らせます。物理的な棚の分類と並べ方は、次の記事で扱っています。
本棚の整理術|増え続ける本を分ける・並べる・減らす本棚の整理は、本を小さな範囲で出して、残す・移す・手放すに分けるところから始めます。ジャンルや著者、未読と既読による分類、取り出しやすい高さ、漫画や文庫のサイズ別収納、入りきらない本の行き先を解説。収納を買い足す前に量と使い方を見直し、整理した状態を保つルールも紹介します。makimono.xyz ↗
本棚の整理と原本の保管を分ける方法も確認できます。
自炊データの整理と保存|ファイル名・フォルダ・バックアップの決め方自炊データのバックアップは、探せるファイル名と、失ったときに戻せる別のコピーをセットで用意します。著者・シリーズ別の整理、iCloud Drive・外付けSSD・NASの使い分け、容量の測り方、コピーを開く確認手順を解説。読むアプリの本棚と、原本の保管を分ける運用も紹介します。makimono.xyz ↗
よくある質問
電子書籍の本棚のフォルダへ入れると、シリーズが変わりますか?
まきものではフォルダとシリーズを分けて扱うので、フォルダへの移動でシリーズの関係は変更しません。別のアプリでは整理の仕組みが異なるため、そのアプリの案内で確認してください。
タグはフォルダと同じですか?
フォルダは置く場所、タグは複数の手がかりを付ける考え方です。対応するアプリで使う機能で、まきもののタグ機能を紹介しているわけではありません。一覧で補うこともできます。
全ストアの本を一つのアプリへ移せますか?
保護や利用条件により移せない本があります。購入先のアプリを入口として記録し、自分の対応ファイルと分けて管理してください。保護を解除する方法は扱いません。
ロックしたシリーズの別の巻も隠れますか?
フォルダの保護は対象ブックの範囲です。同じシリーズでも外に置いた巻や、別の保存先のコピーまで自動で保護されるとは考えず、それぞれの場所を確認してください。
シリーズは巻のつながり、フォルダは置く場所として分けましょう。
今読む本を絞り、購入先や元データへの入口を残すと再開しやすくなります。
分類を増やすより、追加した本を迷わず開ける小さなルールから始めてください。
